当社がご案内にしているプランの中に「おふたりだけに馬頭琴の演奏」という日をご用意しています。
こちらは遥か町から、おふたりのためだけに、馬頭琴の演奏者を呼んで行う贅沢なお時間となることでしょう。
そこで・・
◇馬頭琴という楽器 (MORIIN KHUUR/モリンホール)
その名のとおり、馬の頭が彫刻された弦楽器です。
本体の大部分は白樺のが材料となっています。(モンゴル国)
弦は2本で現在ではナイロンが使わられています。
弓には馬の尾が使われています。
内モンゴルとモンゴル国ではデザインも音色も異なります。
内モンゴルの馬頭琴は、デザイン(彫刻などの装飾)が派手なものが多く、
共鳴箱?が薄く高い音で響きます。
モンゴル国の馬頭琴はシンプルなデザインがスタンダードで(派手なものもあります)、
重低音が草原によく合います。
どんな曲でも馬頭琴でも演奏する事が可能です。
とくに日本の赤とんぼは馬頭琴の音色とよく合います。
また、2本の弦からは音楽だけではなく、
動物の鳴き声や蹄の音など、自然界のさまざまな音を奏でる事ができます。
個人的には、コンサートホールやレストランなどで大人数で演奏されるより、
草原の小さなゲルの中で丸く囲んで聴く方が哀愁があって好きです。(音もさほど大きなものではありません)
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◇伝説
日本では「スーホの白い馬」という物語が有名ですが、
モンゴルでは「フフーナムジル」という物語が語り継がれています。
(内容や和訳に多少違いがあります)
・フフーナムジルのあらすじ
むかし、ナムジルという青年が西の果てのお姫さまと恋におちました。
ナムジルは東の地から毎晩、翼を持ったジョノンハル(駿馬)にまたがりお姫様に会いに行きます。
途方もない距離をジョノンハルは翼を使って駆け、一夜にして往復する事ができたのです。
ところが、ある日、ナムジルに好意を寄せる他の女性が、
毎晩ジョノンハルと出かけていくナムジルに気づいてしまいます。
嫉妬に狂った女性は、ジョノンハルの翼をはさみでばっさりと切り落としてしまいます。
翼を切られたジョノンハルはそのまま息絶えてしまいます。
ナムジルは、ジョノンハルを失った悲しみからその皮で馬頭琴をつくり、奏でてジョノンハルを想いました。
馬頭琴の有名な楽曲にも「ジョノンハル(黒い駿馬)」という曲があります。
曲中にはジョノンハルが勇猛に草原を駆け抜ける様が表現されています。
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私の好きな曲に「黄色い子ラクダ」(和訳により違いがあります)という曲があります。
この曲には物語があり、馬頭琴の特徴がはっきりと表現されています。
・黄色い子ラクダ(シャル ボドゴ)
昔、とても貧しい遊牧民のゲルに親子のラクダがいました。
ある日、貧しさゆえ母ラクダは運搬用のラクダとして遠くに売られてしまいます。
その日から子ラクダは、悲しんで餌も食べず毎日毎日「おかあさん、おかあさん」と鳴きながら、
ゲルのまわりひたすら回っていました。
そして、寂しさに耐えられなくなった子ラクダは、ある日母ラクダが売られて行った方角に駆け出します。
母ラクダも、子ラクダの声が心に聞こえたのか、来た道を一目散に走りはじめました。
その道のりは何日間も大変厳しいものでした。
しかし、親子らくだは無事に出会い、その後幸せにくらしました。
この曲の中では、子ラクダが母ラクダを想って鳴く切ない声や、
親子が出会うために懸命に走る音などが表現されています。
上記の物語を聞いてから曲を聴くとよりわかりやすいと思います。
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日本でわりと知っている方も多いと思いますが、
お産をしたラクダに馬頭琴をきかせるとラクダが涙を流すそうです。
乳がよくでるようになるとか。
この話では、
サンフランシスコ国際映画祭で国際批評家賞を受賞した「らくだの涙」という映画があります。
◇お土産について
飾り物の馬頭琴でしたら、市内のお土産屋さんで購入できます。
音が出ることは出ますが…土産モノを超えません。
ミニサイズなど、サイズも様々です。
値段もピンキリですね…。
演奏用の馬頭琴を希望される場合は、
プロ用の馬頭琴をつくる工房に行って買う必要があります。
作り置きがあればその場で購入も可能ですが、
たいていの場合、デザインなどの注文を受けて作ることが多いので、
確実に手に入れたいのであれば事前に注文しておくことをお勧めします。
値段は私の記憶だと…200〜400$くらいだったと思いますが、
今はもっと高いかもしれません。要確認です。
楽器にはケースもありますが、帰国時の移動は絶対に預けに持つにはせず、
機内持ち込みにしてください。
MIATモンゴル航空でしたら問題なく機内持ち込み可能です。