<スタッフブログ>憧れの超オトナ

普段から何かと声をかけてくださるご近所のお知り合い トニーさんのライブに行ってきた。

トニーさんのオン年88歳、米寿の記念パーティー。

トニーさんは武蔵野音大で初めてのジャズバンドを組まれ、戦中の慰問ライブなどから実に70年以上のジャズボーカリストであり、ピアニストだ。一昨年までは二子玉川でジャズバーのオーナーの傍ら音楽教室をされていらした。

常にオシャレで、ピンク色のセーターやハンチング姿で、ジョーク好きなトニーさんが僕は大好きだ。カフェなどでちょっと目を離すと、隣りの席の20代くらいの女性に声をかけていたり、僕にとってカッコいい大人の見本。こんな人はほかに中々いない。
以前はよくマウイ島に行かれていたそうだが、ホテルロビーにあるグランドピアノなどで、さらりと演奏して拍手をもらったりしたエピソードなど、聞いているだけで心底憧れてしまう。

恵比寿で行われたパーティーには100名近い大人達が集まっていた。トニーさんの同級生、ボーカルスクールの生徒さんや音大の卒業生などらしいが、年齢層が20〜80代と幅広くてすごい。
時間になると、ブラックタイに中折れ帽姿のトニーさんがさりげなく1920年代のジャズを歌いながら登場した。
普段着とはまた違って、あ〜カッコいい。
演目は1部、2部と分かれ、1部はトニーさんの歌、2部はピアノの弾き語り。
トニーさんのお気に入りの映画のナンバー数曲の後、ご友人の女性達によるボサノバや映画「カサブランカ」の「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」、バーブラ・ストライサンドの「追憶」のテーマ曲など。ドレスアップした彼女達も恐らく皆6〜70代の淑女達と思われる。
ベース、サックス、ドラム、ピアノの演奏もみな恐らく60代後半〜70代の紳士達。聞けば、皆それぞれ元会社勤めの方々だという。
2部の弾き語りも、くだらない(!?)ダジャレをいいながら、さりげなく歌に移っていたり、もう音楽が身に付いている感じ。後半はトニーさんの教え子の方や甥っ子や生徒さんの姪っ子さんによる歌やオペラなども披露され、実に様々な種類の音楽が様々な年代の演者で聴けた、贅沢な午後になった。

何よりも88歳!

よく「余生は趣味で」などというけれど、トニーさんのこのお歳で自分を表現する場をお持ちである幸せさ。これって本当に素晴らしいことだと思った。は魅力的なトニーさんだからこそ、一緒に楽しみたい、という演者の方々も多いのだろうけれど、まさにひとつの素敵な人生の仕上げ方を見せてくださった気がした。

ライブを後にして僕が人生の後半に向けて手に入れたい思ったこと。
「目の前の事実を、まず楽しんでみようとする心がけ」、そして「何か自分の表現のすべを持つこと」。
まさにコレ、旅行のときに思うことと同じ!と思い、また次に行く場所をチェックし始めた次第(笑)