桃井かおり監督・主演の映画。
舞台はロサンゼルス。
主演の女性(桃井かおり)は放火殺人事件の容疑者で、精神カウンセラーへの独白シーンがほぼ8割の映画。
業の強い不幸な女性の話で、昼間から観るには中々重い映画だが、
72分間引き込む存在感、過去を断片的に語りながら最後に思わず自白してしまうシーンなどの圧倒的な演技。
やっぱりすごい。
異国の地で言葉もままならないのに生活をしているという、本能的に馴染めていない感覚がとても出ていて、
見ている側も全編どこか不安で気持の居心地が悪い。
でも、海外でしばらく生活をした誰もが持つ「心のよりどころが、ない」感が伝わってくる。
エンドロールの選曲などが海外居住の長い女性ならではのセンスを感じた。
どこかロック。
最後にやっぱりかっこいい。
この映画はほぼ桃井かおりの自宅で撮影されているとか。
ペットまで出演している。
桃井かおり曰く、
なんかもう、できることは自分でやっちゃったほうが早いなって言う感じで、人を 動かすほうが面倒くさい。才能がないと、こんな苦しい仕事はないと思う、
と彼女らしいコメント。
なのに
舞台挨拶では、「雨の日にもかかわらず足を運んだ観客みんなにキスしたい気持ち!」とか言ってくれる。
厳しさと自信と優しさを兼ね備えた
こういう大人に憧れる。