ずっと見たかった映画。
街角でどら焼き店を営む男の元に、1人の年配の女性が「働かせて欲しい」とやってくる。彼女と過ごした短い1つの季節が、やがて男の新たな歩みの原動力になっていく、そんな話だ。
「日常」や「人生」を考え直すきっかけになりそうな映画だった。
何でもない夕焼けや風にそよぐ葉音や道端の花が、きっと今までと違って見えるようになるかもしれない。
何よりもひと時ひと時を大切に噛み締めながら過ごそうとするかもしれない。
今天皇の生前退位が話題になっている。我々昭和世代は3つの元号時代をすごすことになるかもしれない。無意識にそれなりの年齢になってしまった。
しかし若い頃に想像していた大人でもなく、何かで有名になったわけでも、お金持ちになったわけでもない。
自分がもう若くなくなった時、自問自答する様々な言葉で自らを苦しめてしまうかもしれない。
なりたいものになれなかった人生は意味がないのか?
そもそも生きる、とはどんなことなのか?
お金とはなんなのか?
この映画は思い悩む自分に、優しく語りかけてくれるおばあちゃんそのものなのだ。
私は幸いな事に様々な世代の方々とお話しをさせていただくことが少なくない。
人には長く生きてきただけの時間がある。
だから、つい批判的になりがちな自分の親も同様、目上の方から学ぶべきことはたくさんあるのだ。
見た目と余計な情報に振り回されることなく、自分の感覚を信じながら、生きていきたい
そう思う。
製作 2015年
監督 河瀬直美
出演 樹木希林、永瀬正敏、内田伽羅、市原悦子
あん Blu-ray スペシャル・エディション | |
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