かなり個人的な趣味の話ではありますが、東京 清澄白河の東京都現代美術館を訪れたのは「横尾忠則展」以来。ホックニーの展覧会自体、日本でも27年ぶりだそうです。今年は歌手Bjorkの来日と共に、とても楽しみにしていたイベントでした。
イギリスを代表する現代アーティストのデイヴィッド・ホックニー。
自分が高校時代に惹かれた1960年代のアメリカの西海岸で描いた初期の代表作をはじめ、80年代のポラロイドのフォトコラージュ、ホックニーの故郷であるイギリスのヨークシャーの大きな油彩画、そしてiPadドローイングで描かれた90メートルを超える絵巻物のような大作「ノルマンディーの12か月」(これは新型コロナウイルスによるロックダウン中にフランス北部のノルマンディーで描かれたそうです)など100点以上。今まで雑誌などでしか見れなかった作品が全部観れて、かなり満足度の高いアートイベントでした。
想像を超える巨大で鮮やかな作品が多くて、日ごとに変化を遂げる自然と向き合い、移ろいゆく季節をありのままに描いたものが多いのですが、今年86歳を迎えながらのこの圧倒的な色彩感覚とiPadを用いて作品制作をおこなうなど、<今を生きる>つくづくかっこいいオジイサンだなぁ、と思いました。
展覧会冒頭の第1章にあったメッセージ「春が来ることを忘れないで。」には、様々な意味で、思わず胸が熱くなりました。
新型コロナで色々あったこの3年間。そして何だかザワザワしている世界情勢。
86歳のホックニーに励まされた気分です。
11月5日迄の開催ではありますが、機会がありましたら是非ご覧になってみてください。
自然の持つ素晴らしいパワーも改めて感じることができると思います。(はぎわら)