実は、当社をご利用いただきましたお客様で、仙台にお住まいの方がいらっしゃいました。
3月10日、あの震災の前日に日本をご出発され、ブータンをご旅行されました。
ご帰国は空港を変え、関西の御親戚のお家でお過ごしになられ、3月末に仙台のご自宅に戻られました。4月7日にさらに大きな地震を体験されています。
当社にとりまして、勝手ながら、何かしらの「縁」を感じてしまいました。
お客様(M.T様)とメールでの安否確認と合わせて、いただきました生のお言葉から、
「現状」と「復興」への糸口が見えないだろうか?と思い、
許可をいただきまして メールの抜粋を掲載させていただきました。
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御心配下さりありがとうございます。
私の住んでおります仙台市中心部でも震度5強〜6弱の揺れでしたがほとんど被害はありませんでした。
仙台駅より西側の伊達藩時代から続く中心部は、3/11の地震でもライフライン関係以外は軽微な被害にとどまっていたようです。
仙台市中心部周辺ではガソリン供給もだいぶ戻り食料など調達もあまり支障がないレベルだと思います。
困っていることと言えば一部地域でガス、水道、電気が復旧していないのと、鉄道が動いていないこと程度ではないでしょうか。
私も少し意外だったのですが、こちらは案外冷静な雰囲気に包まれています。
もちろんとても声を掛けられない方や、明るく振舞っていても時折憂いを伺わせる様子の方も多いのですが。
東京では情報も入りにくいでしょうし、原発の不安もより大きいかも知れませんね。
添付しました写真は被害の大きかった地域で、土手を挟んだ反対の地区では震災前と殆ど変りない風景が広がっていたりするので文字通り別世界という感じでした。
そんな風景でも暫く目にしていると慣れてきてしまうのですから不思議なものです。
また、宮城では原発の影響もそれほど大きくなく、東北地域で一番困っているのは津波被害を受けた地域の方々です。
昨日事情により、津波被害を受けた仙台空港周辺に行ってきたのですが、(実際に今はただ写真を取りに来るだけの方等が立ち入りできないように通行許可証を出しているエリアもあります)
こちらは未だ全国からの警察や自衛隊が川底をあさっていたり、がれきの撤去をしたりなどしています。
津波の被害は思っていた以上に大きく、仙台市内に住んでいても実際に見ないと津波の被害状況は分からないということを、他の人間も言っておりました。
海から1キロ前後離れた場所でも写真のような状況ですので災害対策専門の訓練を受けた組織、人間でないと津波被災地での直接的な貢献はできないように思います。
現在、避難所等でできるボランティア等は、市内の住人など「通える人」に頼んでいるようで、
自治体の一般職員も遺体安置所等の手伝い程度のようです。
宮城県外からの災害ボランティアの受け入れも始まっておりますが、やはりある程度の制限が付いているのではないかと思います。
従って避難している方々への直接的な支援も、できるのはかなり範囲が限られるのではないでしょうか。
これからどのように復興していくのか長期的な復興プランはまだ検討中のようなので、
ニュースでも流れているように、遠方への集団避難を希望する被災者がそれほど多くない、津波被災者の避難先施設が使えない、
といったことがとりあえずの問題かと思っております。
津波被害を受けた地域は農業、漁業、観光業で生計を立てている人が多く、
また昔から住んでいる方も多いため、避難も集落単位で検討する必要がある等、やや保守的な地域でもあると思います。
私も避難所が実際どのような状況なのか分かりませんが
写真のような状況では、少なくとも農業では3年以上は再開できないでしょうから、
一時的にでも他都道府県に避難者に移動してもらうことがある程度必要なのではないかと思います。
全国から一時的な避難者に対する住居等の提供の申し出がありますが、宮城県知事も言っているように、「避難者にお願いしていくしかない」といった状況と思います。
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現在、遠方への二次避難を希望したり、既に移動している人はごく少数にとどまっているようですが、
遠方への避難を希望していない被災者でも、実際に現地を訪れるとまた違ってくるのではないかと思います。
恐らく、他都道府県への一時避難に関する説明は口頭や簡単な文書・プレゼン程度しかなされていないと思いますので。
その部分に関して、旅行会社の強みを活かし、国や自治体などと協力して、被災者の方々を避難の受け入れ先の都道府県へのちょっとしたツアーを行い、
その土地の良さを見つけてもらったり、不安を取り除いたりすることができれば興味深いのではないかと個人的には思います。
「住めば都」ということもありますので、集落単位での避難を強く望む人でなければ、そのような選択方法もあっていいのかなと思うのです。
ただ、被災者の方々の心情は私にも分かりませんので、非現実的かもしれませんが・・・・
また、大震災の報道に国内外で差があるようですので、海外旅行客に対して日本国内の状況をツアーなどを通じて実際に感じてもらう方策を考えるといったことも、今後の日本への観光客を維持していく上では大事なのかなと思います。
以上、そのように感じております。
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戴いていたメールに返信せずにおり、申し訳ありませんでした。
今月から社会人になったことや生活環境の整理などで慌ただしかったもので見落としておりました。
仙台の大学は4月下旬まで休校、講義開始は5月のようですね。
知り合いの留学生は大半が帰国しており、仙台に残っている人はお金がないからといった理由の人が多いようです。
先ほどのメールにも書きましたが、仙台市内は通勤手段等も含め、贅沢を言わなければ全く問題ありません。
被害が甚大なのは津波被害を受けた地域の方々で、その方々と仙台市中心部、内陸部の人とは、震災被害の認識にはかなり大きな違いがあるのではないかと思います。
今日、復興に向けた具体的なロードマップを描くため、宮城県が専門家によるチームをつくったという記事を読みましたが、まだ具体的なビジョンも出ていないことや、家を失い行方不明の家族がいるような被災者は金銭的な余裕もないと思われますが、御社などで被災地以外の東北方面への旅行を売ることで、復興のお手伝い戴けたら、私も嬉しく思います。
私のブータン旅行では、農業と観光が大きな産業であるブータン現地でのツーリストにガイド同行させる仕組みや政府が数十年単位先を見据えて(?)英語を共通語とする大胆な政策、ガイドの語学習得、学習意欲の高さ等が非常に印象的でした。
岩手県知事はインタビューで復興計画について1人1人の幸福追求やコミュニティーの維持などに言及しておりますし、岩手、宮城、福島とも復興後も農業と観光が大きな産業になると思われますので、私は短い期間ではありましたが、ブータンの生活スタイルや考え方を垣間見れたことが非常に良かったと思っています。(私自身農業関係の仕事に就きましたので)
そのようなこともあり、私自身というより一次産業、観光業の比重が高い被災者の方々にチベット、ブータン周辺を垣間見る機会ができれば良いとは思いますが、いかんせん特に困っている方々は海外旅行をする経済的余裕もないのではないかと思います。
町民の約半数が死亡・行方不明になっている宮城県の南三陸町は県内で海と山でのグリーンツーリズムが盛んであるそうですし、
今後の復興プランがどのようなものであれ、東北における観光業は大きな比重を占めていくのではないかと思っています。
外国人旅行客が減少する可能性なども考えますと、被災者の避難ということを抜きにしてもこういった機会に国内での一次産業・観光業に関連する人や地域が交流していくことは、将来的に日本の観光業、旅行業のレベルを高めていく上でのきっかけとなることがあるように感じています。
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なお、趣旨は若干異なりますが、被災地の子どもたちを対象としたこどもとあゆむネットワーク
というものがたちあげられているようです。
何かしらご興味をもっていただけましたら、嬉しく存じます。
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2011年3月 M.T様、
★FROM PINKスタッフ
心身お疲れの中、落ち着いた視点で様々なお言葉をいただけましたことに感謝いたします。
日々絶え間ない余震が続いておりますが、一日でも早い復興に向かい、当社も何か役立つようにしたいと思っております。
ありがとうございます。