映画「インポッシブル」

2004年12月26日スマトラ島沖で巨大地震の際のプーケットで津波の被害を受けたある家族の実話。

まずそのリアルな描写に驚く。

津波のシーンはCGは使用していないそうだ。
女性監督ならではの、生理的な表現もあるのかもしれない。
ご覧になった方は、恐らくショックを受けるだろう。

やはり東日本大震災で被害を受けられた方々のことを考えずにはおられない。

これは、家族達がそれぞれにただ「会いたい」という気力だけで、
奇跡をもたらした話で、
そこにはハウツーも演習や訓練の効果があったわけでもない。
例えどんなに用心や演習していたとしても、
もしあのような状況であったなら、恐らく私も助かる自信は、
無い。

しかし、「思い」が奇跡を産むことがある。

この映画を観ての感想だ。

私が初めてスリランカを訪れた2006年、ヒッカドゥーワ辺りの海沿いの建物はまだ建物のコンクリートの区画しかない残骸ばかりの風景であったことを思い出す。
確かにこの映画で見るような波が来たら、ああなるであろう。
映画を観て、今更あの光景を振り返り、思いだした。
それを考えると、今のスリランカ もの凄い発展である。

ところで、
私はペットを飼っている。
人を一心に信じているか弱い動物達。
しかし、人間もまた、自然の前に、あまりにも無力であることを今回改めて自覚した。
広島土砂崩れや御嶽山噴火など今年は自然災害が目立つ。
被害に合われた方々のご冥福はもちろんお祈りするが、

人間も平穏な自然を信じきって、不意打ちに合うことが多いにあるということ。

御嶽山の噴火の前に、山に住む野生の熊達は
数日前から麓に降りていたという噂がある。

生き物である限り、
自分の中にもせめて幾ばくかの「動物的野生」は残しておきたい。
身体能力が劣り始めた最近の自分だからこそ、そう思ったりして。

制作:2012年
監督:J・A・バヨナ
出演:ユアン・マクレガー、ナオミ・ワッツ

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